近所のおばあさんから栄養ドリンク剤を沢山もらった。そんなに仲良くもないのに。
このおばあさんにはちょっと困ったりもしている。未婚一人暮らし台湾人のカタコト日本語おばあさんで「命は全て大切にするべし」精神の持ち主。これが厄介。近所の野良猫に缶詰やら水やらを与えていて。知り合ったきっかけが野良猫なのである。
その餌やり場として私が住んでいるマンションの駐車スペースを使わせて欲しい、と引っ越して1ヶ月もしないうちに話しかけてきた。
私は法に詳しくない。どっかで何かの法律に引っかかってないだろうかこの話……と今更不安になってきたことは置いといて。
まあ車通勤だから日中いないし掃除はしてくれるそうなのでいいよ、と適当に言った。
正直どうでもよかったのである。仕事終わりで疲れていた。おばあさん話長いしよく聞き取れんし。
この自分のした応対にちょっと後悔している。
なぜならそれから毎日毎日毎日毎日おばあさんが駐車スペースに待ち構えているようになったから。もうホラーかと思う。仕事が終わり、ハザードランプを点灯させバックさようと後ろを振り返ると。
曲がった腰で走ってきているのが見えるのである。
か〜〜〜〜んべんしてくれ。あなたの話は平気で相手を1時間拘束するほど長いし、マシンガンだから人の話は聞かず(相槌すらいらない)、感情の起伏が激しいから急に涙を流したりで災害なのよ。絶対認知症入ってるんよ。
初めて会った時、あんな真面目に話聞くんじゃなかった。この世で1番怖いのは話が通じない人間です。少なくとも私はそう。
最近は長く捕まらないようあいさつだけして無愛想に逃げたりしている。仕事終わったらスプラトゥーンしてさっさと寝るんだよォ!
私はお金が発生してないのにオジオバの自慢話を聞く善良な心は無いので……笑。
前開きが長くなった。そんなおばあさんからもらった栄養ドリンクである。
前に、私が逃げるために「体調が悪いからもう家入るね」と言ったことを覚えていてこれらを押し付けられたのである。
「貧血ならタウリンが効くからね!タウリンは肝臓を強くするし、このドリンクには葉酸も入ってるから!」
貧血だなんて一言も言ってない。私に栄養のことを説くな。アミノ酸の構造式書くぞ。
おばあさんは清潔感がなく、いつも変なニオイがする。栄養ドリンクを入れている袋も謎の汚れが付着していて衛生面で不安を感じるので正直言って飲みたくない。市販品ではあるのだが……。
捨てていいかな。と思いつつ食べ物を捨てることに抵抗があるのでまだ玄関に置いてある。
どうしよ。